Google Workspace
コアサービス管理
完全学習ガイド
初学者でもわかる、AGWA試験 Section 2 の全トピックをステップバイステップで解説。各サービスの設定方法・ベストプラクティス・試験ポイントを網羅。
このセクションのカバー範囲
MX(Mail Exchanger)レコードは、外部サーバーに「このドメイン宛のメールをどこに届けるか」を伝えるDNSレコードです。Google Workspace で Gmail を使う際の最初のステップです。
| 設定方式 | 優先度 | メールサーバー(Value) | 推奨 |
|---|---|---|---|
| 新しい推奨設定 | 1 | smtp.google.com | ✅ 現在の推奨 |
| レガシー互換設定 | 1 | ASPMX.L.GOOGLE.COM | 既存環境で使用中の場合は維持可 |
| 5 | ALT1.ASPMX.L.GOOGLE.COM | ||
| 5 | ALT2.ASPMX.L.GOOGLE.COM | ||
| 10 | ALT3.ASPMX.L.GOOGLE.COM | ||
| 10 | ALT4.ASPMX.L.GOOGLE.COM |
段階的移行を実施する — 切り替え前にTTLを下げ(例:300秒)、旧レコードを保持したままGoogleのMXを追加して動作確認後に旧レコードを削除する
Admin Toolboxで定期確認 — MXレコードの設定は変更されることがあるため、定期的にツールで検証する
移行後は旧MXを必ず削除 — 古いMXレコードが残るとセキュリティリスクと不要な遅延が生じる
組織の移行フェーズや複数システム運用時に、メールのトラフィックを適切なサーバーに振り分ける設定です。
Google サーバーで受信後、宛先ユーザーの存在に応じて配信先を振り分け
- Google ユーザー → Gmail に配信
- Google に存在しないユーザー → レガシーサーバーへ転送
- 用途:段階的移行、特定部署のみオンプレミス継続
全メールを Gmail と外部サーバーの両方に同時配信
- 移行前の並行稼働テストに最適
- サードパーティアーカイブへの全件転送
- 用途:移行テスト、コンプライアンスアーカイブ
分割配信の設定手順
SPF(Sender Policy Framework)
「このドメインからメールを送信できるサーバーはここです」とDNSに宣言する仕組み。なりすましメールの送信元IP偽装を防ぎます。
DKIM(DomainKeys Identified Mail)
送信メールにデジタル署名を付与し、「本当にそのドメインから送られており、改ざんされていない」ことを保証します。
DKIM 設定手順:
google._domainkey.ドメイン名 に登録DMARC(Domain-based Message Authentication, Reporting, and Conformance)
SPFとDKIMの検証失敗時の処理ポリシーを受信サーバーに伝え、レポートを受け取る仕組みです。
| ポリシー(p=) | 意味 | 認証失敗時の動作 | 推奨フェーズ |
|---|---|---|---|
| none | 監視のみ | 何もしない(レポートのみ) | Phase 1(1〜2週間) |
| quarantine | 隔離 | スパムフォルダに移動 | Phase 2(段階的拡大) |
| reject | 拒否 | メールを完全に拒否 | Phase 3(最終目標) |
p=rejectに設定するのは危険です。SPFに含まれていない正規の送信サービスからのメールまでブロックされてしまいます。必ずp=none で監視 → 段階的に強化 してください。三点セットで設定する — SPF・DKIM・DMARC は必ず3つセットで設定。1つや2つだけでは完全な認証にならない
DMARC は段階的に導入 — p=none → p=quarantine(pct=10→100)→ p=reject の順に進める
DMARC レポートを分析ツールで可視化 — Postmark、dmarcian 等のツールを使いレポートを解析する
サードパーティサービスを SPF に含める — Salesforce、Mailchimp 等のIPも忘れずSPFに追加する
DKIM キーは 2048 ビットを使用 — 1024ビットより安全。年1回のローテーションも推奨
Gmail は多層的なセキュリティフィルタリングを提供しています。管理者はこれらの設定を組み合わせて防御を強化します。
| 設定名 | 機能 | 推奨設定 |
|---|---|---|
| スパムフィルタ強化 | 迷惑メールの検出強度 | 「強化されたスパム対策」を有効化 |
| メールの許可リスト | 常に受信箱に届けるメールアドレス/ドメイン | 信頼できるビジネスパートナーのみ登録。過度な登録はNG |
| IP 許可リスト | 特定IPからのメールをスパムフィルタ免除 | 受信ゲートウェイのIPのみ登録 |
| ブロックリスト | 特定のアドレス・ドメインをブロック | スパム送信者、不審なドメイン |
| フィッシング対策 | 偽サイトへのリンク検出、なりすまし検出 | まず「警告表示」から始め、誤検知確認後に「隔離」へ |
- Email Allowlist(メール許可リスト):特定のIPから送られたメールをスパムフィルタをスキップして受信箱へ届ける
- IP Allowlist(IP許可リスト):受信ゲートウェイとして機能するIPを登録。このIPを経由したメールは「既にスパムチェック済み」と認識され、スパム分類が緩和される(完全スキップではない)
標準のウイルス対策を回避するゼロデイマルウェアを、添付ファイルを仮想環境で実際に実行することで動的に検出します。
Drive の共有設定は階層構造になっており、上位の設定が下位を継承(上書きも可)します。
| 設定項目 | 選択肢 | セキュリティ推奨 |
|---|---|---|
| 外部共有 | 許可 / 禁止 / ドメイン限定 | 部門OU ごとに制御。財務・法務は禁止推奨 |
| 新規ファイルのデフォルト共有 | 制限付き / リンクを知っている組織内全員 | 「制限付き(組織内のみ)」がセキュアなデフォルト |
| リンク付きで共有 | 「リンクを知っている全員」許可/禁止 | 機密情報部門は「禁止」 |
| ドメイン外への一般公開 | 許可 / 禁止 | 原則禁止(特定部門のみ許可) |
通常の共有設定より細粒度のアクセス制御が必要な場合に使用するエンタープライズ機能です。
- 「組織外への共有を許可/禁止」
- おおまかな制御のみ
- 「営業OU は partner.com のみ共有可」
- 「人事OU は外部共有一切禁止」
- OU・グループ・特定ドメイン単位で設定
DLP ポリシーはドライブのドキュメントをリアルタイムでスキャンし、機密情報の検出とアクションを自動化します。
| DLP ルールの構成要素 | 選択肢 | 例 |
|---|---|---|
| スキャン対象 | 組織全体 / 特定OU / グループ | 財務部門OU のドキュメント |
| 検出条件 | 事前定義検出器 / 正規表現(Regex) | クレジットカード番号、マイナンバー |
| アクション | 共有ブロック / 警告表示 / 監査ログ記録 | 「このファイルには機密情報が含まれます」と警告 |
Drive ラベル — DLP との連携
ラベルはファイルに分類情報(機密レベルなど)を付与し、DLP・Vault・検索と連携します。
| ラベル例 | 値の例 | 使用場面 |
|---|---|---|
| 機密レベル | 公開 / 社内限 / 機密 / 極秘 | 情報管理ポリシーの自動適用 |
| プロジェクト | Project-A / Project-B | プロジェクト別の分類と検索 |
| ステータス | ドラフト / 承認待ち / 承認済み | 承認ワークフロー管理 |
会議室、設備、車などの物理的なリソースをカレンダーで予約・管理できます。構造化されたリソース設定がベストプラクティスです。
| 設定要素 | 内容 | 重要ポイント |
|---|---|---|
| 建物(Buildings) | 会議室が存在する拠点情報 | 正確な住所を入力するとルームインサイトで地理分析が可能 |
| 機能(Features) | リソースの特徴タグ | 大型モニター、車椅子対応、TV会議システム搭載 など |
| リソース(Resources) | 実際の会議室名・備品名 | 建物と機能に関連付け。キャパシティも正確に入力 |
命名規則を統一する — [拠点名]-[階数]-[部屋名](例:TK-3F-RoomA)のように、一目で場所がわかる名称にする
キャパシティを正確に入力 — 収容人数を入力すると「Find a time」機能が参加人数に最適な部屋を自動提案できる
ルームインサイトを活用 — 管理コンソール → 建物とリソース → インサイト で利用率が低い部屋や満室が多い拠点を特定
予約承認フローの種類
| 承認タイプ | 仕組み | 用途 |
|---|---|---|
| 自動承認 | 予約者 → 即時確定 | 一般会議室 |
| 手動承認 | 予約者 → リソースオーナーが承認/拒否 | 役員室、高価な機材 |
| 特定ユーザーのみ自動 | 承認不要ユーザー:即時 / その他:承認フロー | ハイブリッド運用 |
| 外部共有設定レベル | 説明 | 推奨 |
|---|---|---|
| 外部との共有なし | 組織外の誰にも予定情報を共有しない | 機密性が高い組織向け |
| 空き時間のみ共有 | 予定の詳細は非公開、空き/予定ありのみ | ✅ デフォルト推奨 |
| すべての予定詳細を共有 | 組織外のユーザーにも予定詳細が見える | 特定部門のみ |
| 一般公開 | 公開URLでカレンダーを公開 | ⚠ 原則非推奨(会議タイトルが公開されるリスク) |
| 設定名 | 説明 | 推奨設定 |
|---|---|---|
| ノックイン(ノックをする) | 組織外ユーザーが参加前にホストの承認が必要 | ✅ 必ず有効化 |
| ホストの管理 | ホストが参加者をミュート・退出させられる | ✅ 有効(特に教育機関・ウェビナーで重要) |
| 会議終了時に全員退出 | ホスト退出後に残存参加者を自動退出 | ✅ 有効 |
| 安全チェック | ユーザーが安全でない状況を報告できる | ✅ 有効 |
| 機能 | 説明 | 注意点 |
|---|---|---|
| 録画の許可 | 会議の録画を許可するか | 録画は主催者のGoogle Driveに自動保存される |
| 自動文字起こし(Transcript) | 会議音声を自動テキスト化 | Business Standard 以上が必要 |
| AI ノートテイキング | Gemini が自動的にメモを作成 | Gemini対応エディションが必要 |
外部参加者にノックインを必須化 — 不審な参加者の防止に最も効果的な設定
録画の保存先を組織の共有ドライブに指定 — 個人ドライブへの散逸を防ぎ、アクセス管理を統一する
録画後はアクセス権を見直す — 「リンクを知っている全員」設定のまま放置しないようユーザーに周知
• メッセージが保存されない
• Google Vault での検索・保持ができない(eDiscovery 不可)
• DLP(データ損失防止)が機能しない
法的調査・コンプライアンス要件がある組織では、チャット履歴を必ずオンに設定してください。
| 設定名 | 説明 | コンプライアンス要件がある場合 |
|---|---|---|
| チャット履歴 | メッセージを保存するか | ✅ 必ずオンに固定 |
| 外部ユーザーとのスペース | 組織外ユーザーとのChatスペースへの参加 | 許可リスト(信頼ドメイン)でのみ許可 |
| アプリ(ボット) | Chat への外部アプリの追加 | 承認済みアプリのみ許可 |
| コンテンツのモデレーション | 不適切なメッセージの報告・管理 | ✅ 有効化推奨 |
履歴は必ずオン — コンプライアンス要件がある業界では、Chat 履歴をオンに固定し、ユーザーが変更できないようにする
外部ドメインは許可リストで管理 — 組織外とのChatは許可リストに登録されたドメインのみに制限する
Chat アプリは承認制に — 未承認のアプリを介したデータ流出(シャドーIT)を防ぐため、管理者承認済みアプリのみ許可
組織データをモデル学習に使用しない — プロンプトや参照したドキュメントの内容は、組織外の不特定多数が利用するAIモデルのトレーニングには使用されない(無料版Geminiとは異なる)
既存の権限を完全に尊重する — Gemini はユーザーが元々アクセス権を持っていないデータにはアクセスできない。DriveやGmailの既存ACLがそのまま適用される
エンタープライズグレードのコンプライアンス— ISO認証・SOC監査・FedRAMP等のコンプライアンス基準がGeminiにも適用される
| 部門 | 推奨設定 | 理由 |
|---|---|---|
| 一般業務部門 | ✅ 有効 | 生産性向上、業務効率化 |
| 法務・コンプライアンス | ✅ 有効(ガイドライン策定必須) | 契約書レビュー等での活用 |
| 機密研究部門 | ⚠ 無効 or 制限 | 機密情報の保護を優先 |
Workspace 拡張機能(Extensions)
GeminiアプリがGmail・Drive・Calendar等のWorkspaceデータにアクセスできる機能です。管理者は各サービスへのアクセスをON/OFFで制御できます。
Gemini 利用ポリシーを策定する — 特に機密情報の取り扱い方法をユーザーに周知。「生成された回答は必ずファクトチェックする」という文化を醸成
段階的ロールアウトを実施 — パイロットグループ(30〜50名)→ 全社展開の順で進め、問題点を早期に発見する
利用状況レポートを定期確認 — 管理コンソール → レポート → Gemini で利用状況を分析し、未使用ユーザーにトレーニングを提供
プログラミング不要でモバイル/Webアプリを構築
- 在庫管理アプリ
- 現場報告フォームアプリ
- 経費申請の承認ワークフロー
- スプレッドシートベースの簡易CRM
→ エンジニア不要で業務アプリを迅速に作りたい場合
Google Workspace の機能を拡張・自動化するJavaScriptプラットフォーム
- Gmail の自動返信・自動分類
- Forms 送信後の自動メール通知
- 定期レポートの自動生成
- Admin SDK を使ったユーザー管理の自動化
→ Workspace サービスを API レベルで拡張・自動化したい場合
Apps Script のスコープを最小限に — 「ドメイン全体の委任」を必要とするスクリプトは慎重に審査し、不必要に広いスコープを許可しない
AppSheet のデータソースアクセスを制限 — 機密データを含むスプレッドシートに接続する場合はアクセス権を厳密に設定する
Apps Script のトリガーを定期審査 — 不要なトリガーが動作し続けていないか、定期的に監査ログで確認する
AppSheet アプリの共有範囲を組織内に限定 — 外部ユーザーへの共有は原則禁止し、必要な場合は承認フローを経る
📧 Gmail(2.1)
💾 Drive(2.2)
📅 Calendar(2.3)
🎥 Meet(2.4)
💬 Chat(2.5)
🤖 Gemini(2.6)
🏆 試験合格への最短ルート
①SPF・DKIM・DMARC の三点セット(役割と設定手順を完全理解) ②DMARC の段階的導入(none→quarantine→reject) ③Chat 履歴オン=Vault で保持可能という連携の理解 ④Meet のノックイン機能が外部参加者対策の答え ⑤Geminiは組織データをモデル学習に使わない