Google Workspace Administrator 認定資格

Associate Google Workspace
Administrator 完全試験対策

初学者からスーパー管理者まで — 試験の全出題範囲を網羅した詳細解説ガイド。各機能の仕組み、設定手順、ベストプラクティス、公式ソースを体系的にまとめました。

試験時間 2時間
50〜60問 選択式
受験料 $125
有効期限 3年間
推奨経験 6ヶ月以上

出題ドメイン一覧

S1

ユーザーアカウント・ドメイン・ディレクトリの管理

配点比率 約20% — 試験頻出度: 高

1-1. ユーザーライフサイクル管理

ユーザーアカウントは入社から退職まで一貫したライフサイクル管理が必要です。

操作用途データ保持ライセンス復元可否
停止 (Suspend)一時的なアクセス禁止保持消費したままいつでも可
削除 (Delete)アカウントの完全削除削除される解放20日以内のみ
復元 (Restore)削除アカウントの復元復元される再消費削除後20日以内
アーカイブ (Archive)退職者データの長期保存保持安価なアーカイブライセンス通常ライセンスで復活
ベストプラクティス — 退職者処理の標準フロー
アカウントの停止(即時)→ Drive データの所有権を別ユーザーへ移転 → ライセンスをアーカイブに変更(コスト削減)→ 一定期間後にアカウントを完全削除
重要な注意点
削除後20日を過ぎると完全に復元不可になります。重要なデータは削除前に必ず所有権移転またはバックアップを実施してください。
移行元環境推奨ツール対応データ
Microsoft Exchange / OutlookGWMMEメール・カレンダー・連絡先
他のGoogle Workspaceドメインデータ移行サービス (Admin Console)Gmail・カレンダー・Drive
IMAP対応メールサーバーIMAP移行 (Admin Console)メールのみ
大規模・カスタム要件Google Workspace Migrateメール・Drive・サイト
外部LDAP/Active DirectoryGCDS (Google Cloud Directory Sync)ユーザー・グループ属性
SAML SSO 設定の要点
SP-initiated SSO(Google側からログイン開始)とIdP-initiated SSO(IdPダッシュボードからログイン開始)の2パターンがある。属性マッピングではemail を Google の主要識別子として必ず設定すること。

1-2. 組織部門(OU)の設計と管理

OUにポリシーを設定すると配下の全リソースに継承されます。

① OU階層の設計例

example.com(組織ルート)🏢 本社🏢 支社A⚙️ 特殊アカウント📊 営業部💻 開発部📋 管理部📊 営業部💻 開発部🤖 サービスアカウント🏠 会議室リソース⬇️ ポリシーの継承方向上位 OU のポリシーは配下の全ノードに自動適用される
OU設計のベストプラクティス
  • OU の深さは 5階層以内 に抑える
  • 「部署(機能)」ではなく「ポリシー」ベース で設計する
  • 特殊アカウント(会議室等)は専用 OU に分離

1-3. グループの管理

グループタイプ主な用途特徴
配信リストメール一斉送信宛先として指定するだけで全メンバーに届く
Collaborative Inboxチームでのメール対応メールの担当者割り当てとステータス管理が可能
セキュリティグループIAM・アクセス制御Google Cloud リソースへのアクセス制御に使用
動的グループ自動メンバー管理属性(部署、役職、拠点)条件でメンバーを自動追加

② 動的グループの設定例

🔍 フィルター条件department = "Engineering"AND location = "Tokyo"⚙️ 自動同期人事システムの属性変更と連動👥 グループメンバーYamada (Eng, Tokyo) ✅Tanaka (Eng, Tokyo) ✅Sato (Sales, Tokyo) ✗💡 人事異動で属性が変更されると、次回同期時に自動でグループへの追加・削除が行われる管理者が手動でメンバーを操作する必要なし — ミスや漏れを根本的に防止
グループ管理のベストプラクティス
大規模組織では動的グループを活用し、人事異動時のメンバー管理を自動化する。外部ユーザーへのグループアクセスは業務上の必要性が確認できたものに限定する。

1-4. ドメインの管理

種別説明用途
プライマリドメイン最初に登録したドメイン管理の基準となるドメイン
セカンダリドメイン追加登録したドメイン別ブランドや地域ごとのメールアドレス
ドメインエイリアス既存ドメインへの別名@example.jp を @example.com のエイリアスとして設定
ドメイン確認のベストプラクティス
ドメイン確認にはTXTレコード方式を推奨。CNAME方式はWebサーバーの設定と干渉する場合があるため避ける。
公式ドキュメント
ドメインの追加と確認

1-5. 建物・リソースカレンダーの管理

③ リソース作成の階層

🏢建物(Building)例:東京本社🔢フロア(Floor)例:3F📅リソース(Room/Equipment)例:会議室A(定員10名, TV会議設備)Admin コンソール → ディレクトリ → 建物とリソース の順に作成
リソース管理のベストプラクティス
リソース名には検索しやすいキーワードを含める(例:東京-3F-会議室A-定員10名)。大量登録はgam ツールや CSV インポートで一括作成が効率的。
公式ドキュメント
カレンダーリソースの管理
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S2

コアWorkspaceサービスの管理

配点比率 約23% — 最大配点ドメイン

2-1. Gmailの設定と管理

Gmailの管理では、メールセキュリティの3大設定(SPF/DKIM/DMARC)の理解が試験で最も頻出です。

設定フルネーム目的実装場所
SPFSender Policy Framework自ドメインから送信を許可するIPアドレスを宣言。なりすまし送信を防止DNS TXTレコード
DKIMDomainKeys Identified Mail送信メールに電子署名を付与し、改ざんを防止Admin コンソール + DNS
DMARCDomain-based Message AuthenticationSPF/DKIMの結果に基づくメール処理ポリシーを定義DNS TXTレコード
フィッシング対策不審なリンクの事前スキャン、添付ファイルのサンドボックス分析Admin コンソール

④ SPF レコードの構造

v=spf1 include:_spf.google.com ~allv=spf1SPFバージョン宣言include:_spf.google.comGmailのIPを許可リストに含める~all(ソフトフェイル)-all(ハードフェイル)= より厳格それ以外のIPは拒否/隔離✅ ベストプラクティス: 本番環境では「-all」(ハードフェイル)を使用してなりすましを完全ブロック

⑤ DMARC ポリシーの段階的強化

🔍Step 1: p=none監視のみレポートを受信・分析(数週間〜数ヶ月)🚧Step 2: p=quarantine認証失敗メールを隔離迷惑メールフォルダへ(誤検知なければ次へ)🛡️Step 3: p=reject認証失敗メールを完全拒否最高レベルの保護← 最終目標段階的移行が重要 — 急に reject にすると正規のメールが届かなくなるリスクあり
Gmail セキュリティのベストプラクティス
SPF・DKIM・DMARCの3つがそろって初めて強固なメール認証体制が完成する。DMARCは必ずp=none から始め段階的に強化すること。

2-2. Google Driveの設定と管理

⑥ 共有設定の階層構造

LAYER 1🌐 組織全体の設定(Admin コンソール)OU単位で上書き可能LAYER 2🏢 OU単位の設定管理者が許可した場合のみLAYER 3👤 ユーザー個人の設定上書きルール上位が優先される❌ 下位では上位の制限は解除できない✅ 下位でより厳しくすることは可
権限レベル(共有ドライブ)できること
マネージャーメンバー管理・設定変更・全コンテンツ操作
コンテンツ管理者すべてのコンテンツの追加・編集・移動・削除
コントリビューターファイルの追加・編集(削除不可)
コメント投稿者コメントのみ(編集不可)
閲覧者閲覧のみ
Google Drive 管理のベストプラクティス
チームの共有資産は必ず共有ドライブに保存する(ファイルが組織に帰属し、退職後もデータが失われない)。
公式ドキュメント
共有ドライブの管理

2-3. Calendar / Meet / Chat / Gemini の管理

外部共有設定(Calendar)説明推奨
空き時間のみ共有詳細を隠して空き/予定ありのみ表示推奨デフォルト
予定のタイトルと時間のみ詳細は非表示
全ての情報を共有詳細含めて外部に公開業務必要時のみ
共有しない外部からは全く見えない
Gemini の重要ポイント
Google Workspace の Gemini は組織のデータをモデルの学習に使用しないことが保証されています。
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S3

データガバナンスとコンプライアンス

配点比率 約15% — 法的・規制対応に必須

3-1. Google Vault による eDiscovery とデータ保持

機能説明対象サービス
保持ルール (Retention Rules)データを自動的に一定期間保持または削除Gmail, Drive, Chat, Meet
ホールド (Holds)訴訟・調査のため特定データの削除を停止全サービス
検索 (Search)キーワード・日付・送受信者などで横断検索全サービス
エクスポート (Export)検索結果を法的手続きに使えるフォーマットで出力全サービス

⑦ 保持ルールの設定例

コンプライアンス要件別の保持ルール設定📧 財務メール7 年間保持期間対象: 財務部門OU法規制対応のため📬 一般メール3 年間保持期間対象: 全組織デフォルトルール👤 退職者データ1 年間退職後の保持期間アーカイブライセンスでコスト削減可能⚠️ ホールド(Holds)が設定されている場合、保持ルールより優先される — データは削除されない
Vault 管理のベストプラクティス
ホールドと保持ルールが競合する場合、ホールドが必ず優先されます。ホールドを設定したら法務部門など関係者に必ず通知すること。
公式ドキュメント
Google Vault の概要

3-2. データ損失防止(DLP)ルールの作成と管理

Gmail(送受信メール・添付ファイル)Google Drive(ファイルコンテンツ)Google Chat(メッセージ内容)

⑧ DLP ルール設定フロー

STEP 1コンテンツ検出器■ 組み込み検出器クレジットカード番号社会保障番号 など■ カスタム正規表現独自の機密情報パターンSTEP 2スコープ設定🌐 全組織🏢 特定のOU👥 特定のグループ細かく対象を絞り込めるSTEP 3アクション設定🚫 ブロック⚠️ 警告(続行可能)📥 隔離(管理者レビュー)📊 監査ログのみ ←初期まず監視から始めるのが安全STEP 4通知メッセージユーザーへのわかりやすい説明"なぜブロックされたか"が明確にユーザー教育効果にもなる💡 最初は「監査ログのみ」で誤検知を確認 → 問題なければ「ブロック」へ段階的に移行
公式ドキュメント
DLP ルールの作成と管理
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S4

セキュリティポリシーとアクセス制御

配点比率 約20% — セキュリティの核心

4-1. ユーザーアクセスの保護

2SV方式セキュリティフィッシング耐性推奨度
セキュリティキー(FIDO2)最高あり管理者必須
パスキー(Passkey)あり強く推奨
Google Authenticator(TOTP)限定的推奨
バックアップコードなし緊急時のみ
SMS / 音声通話なし可能なら無効化
2SV 導入のベストプラクティス
管理者アカウントにはセキュリティキー(FIDO2)の使用を必須にする。SMS方式は SIMスワップ攻撃に脆弱なため可能な限り無効化する。
ロール権限範囲付与対象
スーパー管理者全権限最小人数のみ(最低2名)。日常業務には使用しない
グループ管理者グループの管理ヘルプデスクスタッフ
ユーザー管理者ユーザーアカウントの管理IT担当者
Vault管理者Vault の操作法務・コンプライアンス担当者
カスタムロール指定した権限のみ特定の管理タスクが必要な場合
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S5

ブラウザとエンドポイントの管理

配点比率 約10% — デバイス管理の基本

5-1. モバイルデバイスの管理

管理方式機能範囲ユースケース
基本モバイル管理(無料)最低限のポリシー適用BYOD(個人デバイス)の最低限管理
高度なモバイル管理(MDM)完全なデバイス制御会社支給デバイスの完全管理
サードパーティ MDMカスタム要件対応複雑なポリシーや既存 MDM 基盤との統合

⑨ 退職者デバイスのオフボーディングフロー

🚫①アカウント停止即時実施📁②データ所有権移転Drive データを別ユーザーへ📱③リモートワイプBYOD=アカウントのみ🗑️④アカウント削除猶予期間後(20日以内)この順序を必ず守ること — 削除前にデータ移転を完了させる
モバイル管理のベストプラクティス
BYOD デバイスには「アカウントワイプ(会社データのみ削除)」を実施し、個人データへの影響を最小限にする。

5-2. Chrome ブラウザの管理

⑩ Chrome ブラウザの登録手順

🖥️1Admin コンソールデバイス→Chrome→マネージドブラウザ🔑2登録トークンを生成する📤3トークンを配布GPO(Win) / MDM(Mac)4登録完了ポリシーが自動適用管理できるポリシー🔒 拡張機能の許可/ブロック🔄 自動更新の強制🌐 SafeBrowsing の強制🔐 パスワードマネージャー
Chrome 管理のベストプラクティス
拡張機能は許可リスト方式で管理し、未審査の拡張機能を禁止する。Chrome の自動更新を強制し、古いバージョンのセキュリティリスクを排除する。
公式ドキュメント
Chrome Browser Cloud Management
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S6

監視とトラブルシューティング

配点比率 約13% — 実務直結スキル

6-1. 問題の特定と診断

⑪ 問題診断のファーストステップ

問題報告を受けたSTEP 1: ステータスダッシュボードを確認google.com/appsstatus — Googleのサービス障害か判断🔴 Google障害の場合復旧を待つのみ🟢 Google は正常稼働中→ 自組織の問題を調査STEP 2: 監査ログで影響範囲を特定Admin コンソール → レポート → 監査ログ全ユーザー? or 特定ユーザー?全デバイス? or 特定デバイス?

6-2. メール配信問題のトラブルシューティング

⑫ Email Log Search での調査フロー

Email Log Search で検索Admin コンソール → レポート → 監査 → メールログ検索配信ステータスを確認Delivered ✅受信者側の問題Bounced ❌バウンス理由を確認Spam ⚠️迷惑メール扱いQueued ⏳送信待ち・遅延問題が続く場合 → Google Admin Toolbox でヘッダーを分析 / SPF・DKIM の認証状況を確認

6-3. Meet 品質問題の診断

⑬ Meet 品質ツールの見方と診断フロー

Admin コンソール → レポート → Meet 品質ツール — 通話ごとの詳細データを確認📦 パケットロス✅ <2% 正常❌ ≥2% 品質劣化の可能性⏱️ 遅延(RTT)✅ <150ms 正常❌ ≥150ms 通話品質に影響〰️ ジッター✅ <30ms 正常❌ ≥30ms 音声の乱れ全参加者で問題発生→ ネットワーク経路 / Google側の障害特定の参加者のみで問題発生→ その参加者の端末 / 接続の問題

6-4. サポートリソースの活用

⑭ HAR ファイルの生成手順(Chrome)

F12①開発者ツールを開くCtrl+Shift+I🌐②Networkタブを選択する🔁③問題の操作を再現する💾④右クリック →Save all as HARwith content.har ファイルサポートへ提出⚠️ HARファイルにはセッション情報が含まれる場合があります — 送付先を確認してから提出すること
ログ種別収集方法用途
HAR ファイルブラウザの開発者ツール → Network タブブラウザとサーバー間の通信を記録
Admin コンソール監査ログAdmin コンソール → レポート管理操作の履歴
メールログEmail Log Searchメール配信の詳細
デバイスログAdmin コンソール → デバイスモバイル/Chrome のアクティビティ
サポートケース作成のベストプラクティス
問題の再現手順を具体的に記載 → 影響範囲を明確化 → 既に試した対処法を列挙 →必要なログを添付。事前準備が解決時間を大幅に短縮します。
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